【28卒】就活で企業の残業時間を正確に調べる方法|実態把握の5ステップ

「入社してみたら残業が多すぎた」——毎年、多くの新卒社員がこの悩みを抱えます。厚生労働省の調査では、新卒3年以内の離職理由の上位に「労働時間・勤務体制への不満」が挙げられており、残業実態の把握は就活において重要な企業研究項目です。

しかし採用サイトに掲載される「平均残業時間20時間以内」という数字は、本当に信頼できるのでしょうか?この記事では、企業の残業時間の実態を正確に把握するための5つの方法を解説します。

📌 無料登録: マイナビ就活(就活生の3人に1人が利用)

残業時間の「採用サイト表示」が信頼できない理由

多くの企業は採用サイトに「月平均残業時間○○時間」と記載していますが、この数字には以下の問題が潜んでいる場合があります。

  • 全社平均のため、部署差が隠れる:本社管理部門の少ない残業と現場の多い残業が平均化される
  • みなし残業(固定残業代)が実態を隠す:「月30時間のみなし残業込み」の場合、実際はそれ以上働いていても「30時間」と記録される
  • 繁忙期・閑散期の平均:年間の繁忙期に残業が集中する企業でも、平均は低く見える
  • 自主的な残業として記録しない:管理職が「残業申請するな」と指示するケースがある(いわゆる「サービス残業」)

残業時間の実態を調べる5つの方法

方法1:厚生労働省の「働き方改革推進支援センター」データベース

厚生労働省が提供する「時間外労働上限規制」に関連するデータや、企業の労働環境情報を公開しているサービスがあります。また、各企業の有価証券報告書では一部の企業が残業時間を開示しています。

方法2:有価証券報告書(上場企業の場合)

2023年以降、上場企業の有価証券報告書には「人的資本」に関する情報として、男性育休取得率・女性管理職比率とともに、一部の企業が残業時間を自主開示するようになっています。

調べ方:

  1. EDINET(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)で企業名を検索
  2. 最新の有価証券報告書を開く
  3. 「人的資本」または「従業員の状況」を確認

全企業が開示しているわけではありませんが、開示している場合は信頼性が高いです。

方法3:OpenWorkの口コミで実態を確認

  • OpenWork — 社員・元社員が実際の残業時間を投稿

OpenWorkには「残業時間」に特化したカテゴリがあり、「実際は月50時間程度」「部署によって20〜80時間と幅がある」などのリアルな情報が投稿されています。

活用のコツ:

  • 職種・部署名を含む口コミを優先する
  • 「月の残業は○時間程度」という具体的な数字が含まれている投稿を参照する
  • 直近1年以内の投稿を重視する

💡 ポイント①:OpenWorkで「残業時間」の具体的な数字を書いている口コミを10件以上収集し、中央値を把握する

方法4:OB訪問で直接確認する

最もリアルな情報はOB訪問から得られます。残業について聞きやすい質問例をご紹介します。

自然に残業実態を聞く質問例:

「入社1〜3年目の頃、1日の仕事の流れはどのようなものでしたか?定時後はどのくらい残ることが多かったですか?」

「繁忙期と閑散期の差はどのくらいありますか?繁忙期の時期はいつ頃ですか?」

「有給休暇はとりやすい雰囲気ですか?チームで取得しやすい文化はありますか?」

方法5:面接での逆質問で直接聞く

面接の最後の逆質問タイムに、残業について聞くことは全く失礼ではありません。むしろ「働く環境を真剣に考えている」と評価されるケースが多いです。

逆質問の例文:

ワークライフバランスを大切にしながら長期的に活躍したいと考えています。現在、○○部門の方々の平均的な1日の終業時間はどのくらいでしょうか?」

「有給取得率と残業時間の実態について教えていただけますか?採用サイトの数字が部署全体の平均かどうかも確認したいです」

💡 ポイント②:残業について聞く際は「ワークライフバランスを大切にしたい」という文脈でポジティブに聞く


みなし残業(固定残業代)の仕組みを理解する

「みなし残業」とは、一定時間の残業代をあらかじめ給与に含めて支払う制度です。

みなし残業の例:

「基本給25万円+固定残業代30時間分 3万円=月給28万円」

この場合、30時間以内の残業は追加払いなし。30時間超えた分は別途支払われます(支払わない場合は労働基準法違反)。

みなし残業の時間 働き方への影響
20時間以内 比較的ゆとりある働き方
30〜40時間 普通〜少し多め
45〜60時間 残業が多い環境の可能性大
60時間以上 過重労働のリスクあり(要確認)

💡 ポイント③:みなし残業の「時間数」が高いほど、実態の残業が多い可能性が高い。45時間超は特に要注意


業界・職種別の残業時間目安

業界 平均残業時間の目安(月) 特徴
コンサルティング 60〜100時間 繁忙期に集中、成長機会と表裏
IT・開発 30〜60時間 納期前に増加、リモートで管理しにくい
金融・証券 40〜70時間 繁忙期(決算・年度末)に急増
商社 40〜60時間 海外対応で時間帯が不規則なことも
メーカー・製造 20〜40時間 比較的安定、品質管理時期に増加
広告・メディア 40〜80時間 締め切り前に急増
公務員 20〜40時間 窓口業務は少なく、政策立案は多い

ブラック企業を見極める残業関連のサイン

以下のサインがある企業は要注意です。

  • 採用サイトの残業時間と口コミの乖離が著しく大きい
  • 「みなし残業60時間」など高い固定残業を設定している
  • 「自己成長のため積極的に業務に取り組んでほしい」という表現が多用される
  • 「残業代は出ないが、その分自由に働ける」という説明がある
  • 口コミに「退職者が多い」「精神的に消耗した」という言葉が繰り返し出る

よくある質問(FAQ)

Q1. 「残業時間20時間以内」と書いてある会社でも実態は多いことがありますか?

A. あります。全社平均20時間でも部署によって5〜50時間の差がある場合があります。「どの部署の平均ですか?」「繁忙期はどのくらいですか?」と聞くことで実態に近い情報が得られます。

Q2. 残業が多い会社は全てブラックですか?

A. 違います。「残業が多いが適切に残業代が支払われ、成長機会も多い」会社はブラックではありません。問題なのはサービス残業・ハラスメント・心身への悪影響がある場合です。

Q3. 入社前に残業時間について聞いても失礼になりませんか?

A. 失礼になりません。「長く健康的に働きたいので確認させていただきたい」という文脈で聞けば、むしろ計画性のある就活生として評価されます。

Q4. 残業時間と有給取得率はどちらが重要ですか?

A. どちらも重要ですが、視点が異なります。残業時間は「日々の負荷」を、有給取得率は「実質的な休暇の取りやすさ」を示します。両方を組み合わせて「実際の労働環境」を判断しましょう。

Q5. 残業が少ない会社は成長できないという意見をよく聞きますが本当ですか?

A. 必ずしもそうではありません。残業時間と成長は比例しません。残業が少なくても業務の質・学習機会・フィードバック文化が充実していれば十分成長できます。


まとめ:残業の実態は「複数の情報源」で多角的に確認する

採用サイトの数字だけを鵜呑みにせず、口コミ・OB訪問・面接での逆質問を組み合わせて残業の実態を把握しましょう。

残業調査のチェックリスト

  • 有価証券報告書や開示情報を確認した
  • OpenWorkの口コミで職種別残業の実態を確認した
  • みなし残業の有無と時間数を確認した
  • OB訪問で繁忙期・閑散期の実態を聞いた
  • 面接の逆質問で確認した

残業と生産性の関係:長時間労働の落とし穴

残業が多い会社は成長できるのか

「残業が多い方が成長できる」という考え方は、今の時代には必ずしも正しくありません。スタンフォード大学の研究では、週55時間以上の労働は生産性の低下を招くことが示されています。

残業が多い環境が成長につながるかは、「業務の質」によります。

成長に結びつく残業(良い残業):

  • 自発的に学んで知識を深めている時間
  • 責任あるプロジェクトで追加の作業が発生している
  • 短期集中で重要な案件に取り組んでいる

成長につながらない残業(悪い残業):

  • 非効率な業務フローが改善されないまま続いている
  • 「帰りにくい空気」で時間を過ごしている
  • 本質的でない作業(資料の体裁整え等)に時間を取られている

残業時間と離職率の関係

月の残業が60時間を超えると、3年以内の離職率が急上昇するデータがあります(厚労省調査)。入社後の健康的な労働環境は、長期的なキャリア形成のための基盤です。


残業情報を就活に活かす逆質問例文

例文(残業について聞く際の自然な表現):

「長く、かつ健康的に貢献していきたいと考えているので、働き方について確認させてください。現在、○○部門の方々が1日の業務を終える時間は大体どのくらいでしょうか?また、繁忙期がある場合、それはどの時期になりますか?」

この質問の良い点は、「残業があっては困る」という否定的なニュアンスではなく、「長期的に働く前提でリアルな環境を知りたい」という前向きなスタンスで聞いていることです。

💡 ポイント④:残業について聞くときは「長く健康的に働きたいから」という文脈で質問する。懸念ではなく主体性を示す


残業の実態を判断するための比較基準

業界別の残業時間の目安を把握した上で、志望企業の残業時間が業界平均に対して多いか少ないかを評価しましょう。

💡 ポイント⑤:残業時間を確認した上で「それでも入りたい理由」があれば、その会社が本命候補の一つと言える

📌 無料登録: マイナビ就活(就活生の3人に1人が利用)